7.アバド
7.1序
さすがに他の人と混ぜるのも失礼(?)なので、2つだけだが「その6」ではアバドを。
過去記事はこちら。
7.2聴き比べレビュー
Claudio Abbado, Wiener Philharmoniker & Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor
Gabriela Beňačková, Marjana Lipovšek, Gösta Winbergh & Hermann Prey (1986).
先に下記のベルリンフィルの録音を聴いていたので、アバドの第九ってこんなに力強いのか!と驚いた。伝統的なスタイルから離脱しているが、最近のものとも異なるとても魅力的な演奏で、アバドのでかい曲を指揮するうまさが出ている。カラヤンとえらい違いやな。
Claudio Abbado, Berliner Philharmoniker, Schwedischer Rundfunkchor & Eric-Ericson-Kammerchor. Karita Mattila, Violeta Urmana, Thomas Moser & Thomas Quasthoff (1996).
美しく研ぎ澄まされた演奏の極地の1つとでもいうべきだろうか。録音も素晴らしい。各パートがきれいに整理され、小気味よいテンポで進むのだが、一部の古楽スタイルの演奏のように淡々としているわけではない。1986年のものとは異なった形の、しかし、アバドらしい熱のこもった演奏である。
7.3総評
2つで総評もなにもないのだが、やっぱりアバドはイイ。演奏スタイルを大きく変えても違う魅力を出せるという柔軟性も、引き出しの多さもさすがというほかない。