1.はじめに
ここ数年、CDを買うのは控え目になり、配信サイトからデータで音源を買うことが増えた。バックアップの手間はかかるものの保管場所の心配が不要で、DAPに移すのもAudirvanaで聴くのもデータの方が便利である。以前に書いたとおり、データの不備といった問題もあるが、音質は総じて良い。
値段もCDを日本で買うよりは安い...のではあるが、国内系が論外な値段をつけているだけでなく、HD Tracksあたりは高くなってきているし、高音質だからもっととろうぜという方向性は当然にある(別に悪いわけではない)。そして、ついつい「ちょっと聴いてみてもよいかな」というものも買ってしまう。他方で、そんなことをしていると、新しいジャンルには食指が伸びにくい。
色々書いたが、ある意味有料の全曲試聴サービス的にストリーミングを使えれば、1ヶ月あたりアルバム1枚くらいの値段で余計なものを買わなくて済む。
2.ストリーミングと配信の違い
2.1 色々な違い
配信(ここではストリーミングではなく、データで音源を販売するサービス)とストリーミングにはいくつか重要な違いがある。
まず、ストリーミングは当然だが聴く間はそれなりに速いネットにつながっていないとダメである。ダウンロードして聴けるサービスもあるし、DAPに入れておくことも可能なものもあるが、やや面倒である。これに関連して、ハイレゾといってもビットレートが非常に高くなるものをストリーミングで聴くのは現実的ではない。DSD 128以上なんてちょっと無理だろう。
次に、ストリーミングは必然的にサブスクリプションである。そのため、依存度が高くなると抜けられない。まあこれは仕方がない。
さらに、コアなユーザにとってはシビアなのがアクセス制限。配信でもアクセス制限はあるが、(中略)なのに対して、ストリーミングだとつなぎっぱなしにしなくてはならないので、回避するのも大変である。というわけで、正攻法で国内でサービスを展開しているものを探すことになる。高速VPNサーバを外国で借りたらよいのかも知らんけど(あかん)、さすがに。
2.2 ビジネスモデルの違い
これは色々あるし、私から見えていない、私が理解できていない点も多くあるだろう。1つ挙げるとすると、ストリーミングの方が「聴かせたいものを聴かせる」サービスがやりやすいという点である。レーベル(出品者)からカネをとって再生させやすくするというやり方をとりやすい。
もちろん、配信でもネット通販と同様に可能だが、「同じようなものがたくさんある」というAmazonのPC周りの中華商品とは違う。カラヤンの第九といえば3つほどの録音しかないし、それを求めている人にバーンスタインの第九を売付けようとしてもなかなかうまくいかない。しかし、ストリーミングであれば、「とりあえず第九を聴いてみよう」という相手には効く。追加で再生しても追加でカネがかかるわけでもないし。
このことが、おそらく使いやすさに(悪い意味で)効いてくるのではないかと考えている。
というわけで、今回は配信との違いについて。次は、Amazon music HDとmora qualitasの比較を書きます。