Astell&Kann KANN

1.前ふり

久しぶりの更新になってしまったが、年末にeイヤホンのセール情報を見ていて

www.iriver.jp

が80000円で出ていたのでつい購入。前から気になっていたのと、旭化成エレクトロニクスのチップ使ったやつ聴いてみたいなあ、DP-X1Aとアンプの組合わせだと結構でかい上にバッテリーの消耗が激しいのでもう1台ほしいなあと思って購入(要は欲しいだけやんけ)。まだ使っていない機能(LINE OUTとか)もあるけど、100時間ほど使ったのでとりあえずレビュー。

 

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2.音質など

何はともあれまずは音質。一言でいうと、味付けのない音。全体的にやや重心低めな印象もあるけど、中高音も含めてキレイに出る(元々、中〜低音が強いAndris Nelsons /  Boston Symphony Orchestraのブラームス交響曲全集を聴きながら書いているが、1番2楽章のバイオリンソロなどたまらん)。解像度は高いと思うが、音源による。音場は一貫して広く、横方向だけでなく、縦方向(上下というより奥行きを指しているつもり)の音場がはっきりと感じられる(これも音源によってかなり違う)。

しばらく色々な音源を色々なイヤフォン・ヘッドフォンで聴いていて気づいたのは、音源(録音)とイヤフォン・ヘッドフォンの性格がとても明確に反映されるということ。低音を強調した録音だとそのとおりに、硬い音の録音だとやはりそのとおりに。1960年代あたりのバーンスタイン・NYPのやや人工的な分離感とシャリっとした高弦、金属的なトランペットの音もそのとおりに。イヤフォン・ヘッドフォンの傾向も明確に出るので、音質のレビューは何を使うかで決まっているところもあるかもしれない。その意味で、複数のもので比較していないレビューは注意する必要があるし、何を使ったか明記していないものはあまり参考にならない(後者は元からry)。狙っている路線からすると、もっと味付けしているのかと思っていた(心配していた)が、全く違った。

いくつか試してみた結果。なおAKG K812以外はバランス接続。

  • AKG N40を使ったらやや低音が強く、音源によってはぼんやりと聞こえることが多く、いまいち。
  • Etymotic Research ER4SRは非常に相性が良い。低音が引き締まって、高音はよりキレイになった感じ。DP-X1Aで使っているときよりもずっと良いイヤフォンなのではないかと思ったくらい。
  • MEZE 99 Classicsはやはりソツなくこなしてくれてなかなかの相性。さすが*1
  • AKG K812は高解像度で高音がキレイ、時々キツいと感じる人もいるかなあという性格が一層ハッキリする。個人的には好み。
  • Final Audio Sonorous VIは最も相性が良かった。低音がややぼやけた録音でもボワつきが全くなく、引き締まった音になり、かつ、もちまえの高解像度を発揮できる。意外な発見。

3.使い勝手ーUI、ケーブル、Wifi、サイズ

Androidベースの独自のUIで、おそらくAstell&Kernを使っていた人にはなじみやすい。初めてでも使ってりゃ分かるという感じ。色々なところで指摘されているが、確かに物理ボタンとタッチパネルの使い分けが微妙なので、そのうちアップデートでタッチパネルでも物理ボタンと同じ操作ができるボタンを入れてほしい。

バッテリのもちはまあまあ良い。High Gainでブラームス交響曲全集を4回〜5回続けて再生したらなくなる感じ(どんな感じだ)。

充電とPCへの接続のためにUSB-C(KANN側)-USB-A(PC側)のケーブルがついてくる。せっかくUSB-Cを使っているのに、USB-C-USB-CでMacbook Pro 13につないでみたところ、データ転送はできなかった。謎仕様だがケーブル変えればできるのだろうか。なお、USB-C-USB-Cで適当なアダプタにつないで充電することは出来る。また、どうやらUSB 3ではないようで、データ転送はUSB 3対応のカードリーダーの方が速い。

なお、Macとの間のデータのやりとりには一般的なAndroid端末と同じAndroid File Transferという極めて出来の悪いアプリを使う。どのくらい出来が悪いかというと、どの端末でも認識できなかったり、ファイル転送時・転送中に認識できなくなったり、4GB以上のファイルの転送ができなかったり、認識できない場合に無駄にたくさんウインドウを開いたりする(イヤってほど指摘されてますわな。こことか。)。DP-X1Aでも同じ問題はあったが、KANNの場合はいったん認識されなくなるとなかなかつながらない。業を煮やしてCommander Oneというファイル管理ソフトを使ってみる。何度か使ってみたけどAndroid File Transferのようなエラーは今のところ起きない。有料版買うかなあ(無料版ではAndroidのMTP利用ができない)。

Wifiがついているのだけど、稀に他のマシンでは電波をつかめるwifiが圏外になる。これまた謎。Andoroid使ったDP-X1Aではつかめるのに。

サイズはまあでかいが一応ワイシャツ等の胸ポケットには入る。上着なら余裕だけど、重いので型崩れするかもしれない。ただし、発熱はすごい。今は冬なのでホッカイロ代わりになるが夏場はどうしようかというレベル。熱くなりすぎるが熱より先に汗でおかしくなるんじゃねえのかな。

4.非常に困ることーSD/micro SD

KANNはmicro SDに加えてフルサイズのSDカードを使える。これは素晴らしい。というわけでLexarの256GBを放り込んだ。音飛びや読み込みの遅さに起因する問題はない。

しかし、だ。使い始めて3日目に電源を入れたら「破損したSDカード」という表示が。もちろん、ファームウェア等は全部アップデートしている。iMacでSDカードを読み込んでみると、空き容量からは音楽データは残っているはずだが、表示されなかった。いくつか策を弄してみたが結局どうにもならず、Mac上でフォーマットして再度データを転送。ああめんどくさい。

SDカードはその後、現在に至るまで1週間ほど機嫌は良い。またまた、しかし、だ。今度は電源を入れたら突然micro SDの方が「破損したmicro SDカード」だと。ダメ元でMacbook Proで読んでみると、音楽データは無事だった(ように見えた)ので、KANN側でフォーマットして再度データを転送。ああめんどくさい。しかし、よーくみてみると、直前に放り込んだデータがフォルダごとなくなっている。Macbook Proの方にもなく、どうも「破損した〜」となってからアクセスできなくなっていた模様。ええいめんどくさい。

いずれもきっかけになったのはカードの抜き差し。もちろん、KANN側で取り出しの操作をするか電源を切ってから抜いている。「破損〜」後のMacからのデータのアクセスも併せて考えると、カタログファイルがおかしくなっている可能性があるんじゃないかと勝手に推測している。どうやら似たような症状はAstell&Kernの他のプレイヤーであったようだが、なんでKANNではファームウェア等のアップデートで改善されていないのか謎である。厄介なのでサポートに連絡しようと思うが対応してくれるかは不明。

5.とりあえずの結論

そのうち評価が変わるかも知れないが、ブラームス1番も終わってBernstein/NYPのコープランド・Billy the Kidの中盤なので、とりあえずの結論を。

  • 当初の実売12万ならさておき、購入価格からするとかなり良いプレーヤーではある。
  • ただし、どんなイヤフォン・ヘッドフォンを使うかは非常に重要。DP-X1Aよりもシビア。
  • SD/micro SDはいつやられるか分からないので必ずバックアップを。

*1:なお

yorokuyadoroku.hatenablog.com

も参照。