はじめに
日本では本日発売のAKG N5005、買ってしまったぜ…レビューでもしようか。
少し前から10万前後で良いイヤホンを探しており、ネット上の評判や試聴の結果ではBeyerdynamic Xelento RemoteかShure SE846がよさげだなと思っていたところ、これが出ると知って試聴もせずに夜中にぽちっと。現時点での結論からいうと、全く後悔していないどころか、比較対象のものより好み。
外装など
仰々しく開封の儀などとやるのはあまり好みではないのだけど、仰々しい3重の箱を。
1つめ。この外側にも外装があった。
上から順に2つめとようやく箱本体。これを開けると、
こんな感じで本体の上に薄い板。これをとると、
じゃじゃーん。本体、ケース、メカニカル・チューニング・フィルターです。箱は二層になっていて、左右のヒモをひっぱってこれを開けると、
イヤーピース、ケーブルなどが出てくる。ケーブルは左からBluetooth充電用USBケーブル、3.5mmアンバランス(リモコン付)、2.5mmバランス、Bluetoothの順になっている。
なお、日本版ではこのほかに、N40などで使われている3.5mmアンバランス(リモコンなし)もついてくる。リモコンいらんって人にもいいですわな。
本体と2.5mmバランスケーブルをつなぐと、
こんな感じ。CN120とは違ってツイストになっている。ハウジングの付近をみると分かるように、最初から耳にかけやすく曲がっている。
音質その1
とりあえず、初期設定のまま(フィルターはReference、イヤピースは黒の中サイズ)+2.5mmバランスでKANNにつないでいくつか聴いてみた。詳細は続きででも書くが、一発目からアタリだ!と思わせる音。
解像度は高く、高音から低音までキレイに出る。K3003よりもN40の系統の音ではあるが、N40でやや気になった低音がボワっとする(Reference)、あるいは一番高いあたりの高音がやや尖った感じで歪んで聞こえるといったことはない。MTT/SFOのマーラー1番やGilbert/NYPのブルックナー3番を聴いてみたところ、低音は引き締まっていて(マーラー1番4楽章冒頭のドン!という感じが迫力が感じられる)、金管楽器がバリバリ頑張るところが実にダイナミックである。なぜかいつも基準にしている曲の1つであるPogorelich/Abbado/CSOのショパンのピアノ協奏曲2番1楽章も聴いてみると、ピアノが尖ることも埋もれることもなく自然に浮き上がってくる。高音はフィルターがReferenceで尖る寸前のところで止めている感じなので、より高音よりのものにしたらどうなるのだろう。High boostとReferenceの間にMD high boostを作ったのもなんとなく分かる。
ちょっと驚いたのは、Brilliantから出ているKissinコレクション中のショパンピアノ協奏曲1番だった(CD→flac, 16bit/44.1kHZ)。これは演奏は実に素晴らしいのだけど、録音(なのかマスタリングなのかよく分からんけど)が微妙で、イヤホンだと低音中心に(特に弦楽器の)くぐもって聞こえるか、全体的に妙にキンキン尖ってしまうことが多い。しかし、全く破綻なく、美しく聴かせてくれる(しかし、実演を聴いた人はもっとうらやましい)。これは実に色々なセッティングで試してチューンナップしたのだろうなと思わせる。古い微妙な録音もうまくこなす、というのはあまり意識していなかった。
と今回はこのあたりで。続きは下に。