AKG N40+CN120-2.5

1.はじめに

前々から気になっていたAKGのN40

ポタフェスで試聴して、元のままだと微妙だけど、色々といじればかなりクラシック向けに使えるものになるのではないかという感触を得たので、早速購入。

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まずは、純正バランスリケーブル(CN120-2.5)を装着。

聴取環境は、いつものDP-1XAにDacamp L1をつなぎ、リアルタイムDSD変換(5.6MHz・高精度)。L1からバランス接続でN40につなぐ。今回比較に使った音源は、最近買ったAlan Gilbert/NYPの演奏をたくさん(CD品質のflacだけど)。

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2.装着感やケーブルの取り回しなど 

まずは、イヤピースは純正の中サイズのまま。個人的には、右の耳にはめる際に少しはめにくさを感じる(私の耳の穴は右が少し湾曲、左がまっすぐ)。はめてしまうと痛みや違和感はない。なお、遮音性はあまりないので、地下鉄の中で音量差が激しいクラシックを聴くのにはやや厳しい。

次に、ケーブルの取り回し。附属のケーブルはペラペラとしてあまり取り回しがよくないが、純正リケーブルはとても使いやすい。耳掛けにしてもコードはジャマにならない。特に、分岐から下(アンプ側)がやや太めの編み上げでカバーされているので使いやすい。

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3.さて、音質について

3.1音場とか

まず、音場はかなり広い。附属ケーブル(アンバランス)では感じられない広さ。ケー

ブルの効果以上にバランス化したことの効果が大きいように感じる。他のイヤフォンと比べてもかなり広い方だろう。例えば、前述のGilbert/NYPの録音では、マーラー1番の1楽章で入れ替わり立ち替わりカッコーを演奏する楽器が別々のところにきちんと配置されているのが分かる。分離感もよく、金管楽器が重なる場面でも、カッコイイけどやや弱いトランペットが強力なトロンボーンとホルンにどしんと乗っかられる(音の高さからすると変な表現ではあるが)様子や、その状態でもトランペットがきちんと聞えてくる。

なお、音場の広さと解像度が組み合わさって、ライブ録音では、どのあたりの客が咳をしたのかもリアルに伝わり、深夜のホテルなどで聞いているとドキッとする。

3.2高音

高音は十分に出ているといえるだろう。1楽章冒頭のフラジオレットも密度の濃い音が流れていたし、4楽章冒頭のどんちゃん騒ぎで飛び出す高音もしっかりと聞える。高い解像度と相まって、どんちゃん騒ぎの中で何が起きているのかハッキリと聞き取れる(録音と演奏にもよる。NYPは各管楽器の技術も高く、大騒ぎの場面でも各パートが正確にやるべきことをやっている)。むしろ、録音・付属品の組合わせによっては、高弦のアンサンブルがさらさら、あるいはしゃりしゃりと聞えることがあるのがやや気になる。アンプで調整できるなら、こういった場合は高音を1つ下げてやると解決するかもしれない(L1では高音を強調しないように高音・低音ともにフラットにすると、おおむね感じなくなる)。

もう1つの高音の特徴として、トライアングルがとてもキレイに響く。シンバルの余韻もキレイで、こうした金属の高音で色気が出ているのは好きなタイプで、バルビローリ・ハレ管のシベリウスなど聴いてみたくなるわけです。

 3.3低音と中音

低音はどうだろうか。「低音でねーぞカスカスイヤホンめが」という趣旨の意見も見かけたけど、試聴の段階からむしろ低音が出すぎる+ぼわんぼわんと反響したような音になるのではないかと心配していた。確かに純正の元々の組合わせだ、低音がややボワつく。ティンパニがどーんとやるとその音がぼわんぼわんと他の音にもかぶるのだ。ただ、CN-120-2.5にしてからそういった傾向はほぼなくなった。バランス化のおかげかもしれない。なお、音質フィルターをhigh boostにしても上記の低音ぼわつきは押さえられる。ただ、この場合は高音(特に高弦)しゃりしゃりが待っているので、アタマを掻いていたら足が同時に痒くなって困っているような感じにも。バランス化した後では、DP-X1A直結でも、ぼわんとした低音とはおさらば。特にL1を挟んだ場合、低音が引き締まった非常に良いヘッドフォンのような音になります。クラシックであっても、低音は低音でしっかり鳴ってくれないと、マーラー1番4楽章なんて話にならんわけです(ただ、この演奏ではもう少し最後に低音があってもよいかなと。4楽章最後の打楽器は見事だけど)。 

中音域はほどほどに鳴っている。圧倒的な音で埋め尽くされるという感じではないものの、解像度高く鳴っている。ただし、一部(NYPのホルンだからか?)モゴっとする印象も。

 4.結論

全体として、CN-120-2.5でバランス化して、そこそこの環境で使ってやると、かなり優れたクラシック向きのイヤフォンになるように思う。UMのMASONのように純粋に解像度を求める向きにはやや物足りないと感じられるかもしれないが、音場の広さと割と高い解像度でイヤフォンなのに音に包まれる感覚が得られるのは素晴らしい。なお、遮音性・装着のしやすさなどで、イヤーピースをめぐって迷走することになるのだけど、それは後日ということで。